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【差替待機】フィンランドの強さ②

はなしいてみましょう。

【差替待機】フィンランドの強さ②
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 フィンランドが、ソ連軍の駐留を拒否し、戦争に発展した「冬戦争」。


軍事力が明らかに格上のソ連軍と戦おうとしたのは何故なのでしょうか?


 


その答えは、フィンランド人が持つ「フィンランド人」であることの強い意識と、「独立国家フィンランド」を守ることができる自信があったというところにあります。


 


フィンランドが独立国家を守り切れる自信があった理由は、他国からの支援があるだろうと算段していたからです。結果として、支援を期待していた国も戦争に巻き込まれ、思っていたような支援を受けることはできませんでした。


 


しかし、フィンランドはこの「冬戦争」で決して勝利を収めることが目的ではありませんでした。本当の目的は、「戦争を長引かせること」でした。


 


ソ連はフィンランドだけでなくほかの国とも戦争をしていました。


フィンランドの兵士は少数精鋭でかなり高い戦闘力を持っていたと言われていて、フィンランドの地形を利用した戦い方や、ゲリラ戦、戦闘意欲の高さに、ソ連軍は疲弊していきました。そして、フィンランド軍の算段の通り戦争は長引きました。この戦争により、ソ連軍は疲弊し体力を消耗しました。


 


「冬戦争」では、フィンランドのカレリアという地方をソ連に奪われましたが、「継続戦争」で取り返しました。


しかし、最終的にはフィンランドはソ連に敗北します。けれど、フィンランドの粘り強さや小国でありながらの強さを感じたソ連は、また戦争になると厄介だと考え、フィンランドをソ連に併合することはありませんでした。


 


フィンランドはこうして「独立国家」であることを守り抜きました。


 


しかし、この戦争でソ連への莫大な賠償金を課せられてしまいました。


これまで、機械業や重工業など物を作る産業が盛んでしたが、戦後莫大な賠償金を返済するために、技術国へと変化していきました。


 


国の多額の賠償金を返済するために教育にも力を入れていったフィンランドは、今でも優秀な人が多いことで知られています。


 


フィンランドは、ロシアを刺激しないようにしつつ、世界各国の産業を取り入れ成長していきました。ロシアの機嫌を取るような姿を「フィンランド化」といって、揶揄することもあります。しかし、フィンランドは、大国ロシアを隣に抱えながら独立国家としてうまくやっていかなくてはなりません。このような方法が優れているのです。他国には守ってもらえなかった過去から自国のことは自国でしか守れないという意識があるからこそできることなのです。


 


スウェーデン自治下…ロシア自治下…独立…冬戦争…継続戦争…綱渡り外交…と様々な局面を経験し自国を柔軟に変化させながら、フィンランドという独立国家を貫いたのです。