日本語を学ぶ

スティーブジョブズ氏のスピーチ②

はなしいてみましょう。

スティーブジョブズ氏のスピーチ②
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そして偶然出会ったもののなかで、自分の興味や直感の赴くままに従ったものは、のちの人生でかけがえがないものとなりました。


 


その一つに、カリグラフィーがあります。


リード大学は当時恐らく、アメリカ国内で最も優れたカリグラフィーの教育を提供していました。キャンパスの至る所に貼られているポスターや、戸棚に貼られた手書きのラベルは美しいカリグラフィーで施されていました。


私は大学を辞めていたので、必修科目の講義を受ける必要がなくなったので、興味があって身につけたいと思ったカリグラフィーの講義を受けました。


そこで学んだのは、書体にはセリフ、サンセリフがあること、文字の組み合わせによる字間スペースのあけ方などでした。さらに、一体何がカリグラフィーを素晴らしく美しく見せるのかということを学びました。このことは、科学だけでは捉えきれません。美しく歴史があり芸術的な繊細さがある。私はカリグラフィーのとりこになったのです。


当時は、このような知識が、人生の役に立つとは思いませんでした。


 


ところが10年後、最初のマッキントッシュを設計することになったとき、これらの経験が蘇ってきたのです。


そして、その知識と経験すべてを、Macに注ぎました。Macは美しいフォントのある世界初のコンピューターとなりました。


もし大学でカリグラフィーの講義を受けていなかったら、Macには様々な美しいフォントや字間調整フォントなどが入っていなかったでしょう。


WindowsはMacのコピー版にすぎず、Macが生まれなければパソコンにこうした美しいフォントや字間調整フォントが追加されることもなかったでしょう。


もし私が大学を退学していなかったら、カリグラフの講義を受けることもなかったでしょう。そしたら、パソコンが現在のように多様なフォントを備えることもなかったはずです。


 


もちろん、大学生の時の私は、先々の人生のために計算して、点と点を繋いだわけではありませんでした。しかし、10年後の今振り返ると、大学で学んだことは将来に繋がっていたことがはっきりと分かったのです。


 


再度言いますが、未来を計算して、点と点を繋ぎ合わせることはできません。あなたたちにできるのは、過去に得たことを点と点で繋げるしかありません。いまやっていることがバラバラになっていても、いつか人生のどこかで繋がるだろうと信じることです。


運命、人生、カルマ…、何でもいいのですが、とにかく信じることです。それで、私は後悔したことはありません。これらは、人生を変えてくれます。