日本語を学ぶ

むかしむかし、ジャックという男の子が、お母さんと二人暮らしをしていました。

　ジャックのお父さんはジャックが小さい頃に、雲の上からやって来た大男に食べられてしまいました。

　その時からジャックはウシのミルクをしぼって売り、そのお金で暮らしていました。

　けれどウシも歳を取って、ミルクを出さなくなってしまいました。

お母さんがジャックに言いました。

「仕方ないね。ウシを売ってお金にしましょう。ジャック、ウシを売りに行ってちょうだい」

「はーい」

　牛を売りに歩いていたら誰かが声をかけてきました。

「そのウシとこの魔法の豆を取り替えないかい？」

「魔法の豆？　すごいや！取り替えてもいいよ。」

　ジャックは、喜んで家に戻りました。

　その話しを聞いたお母さんは、ジャックを叱りました。

「豆とウシを取り替えて来るなんて！魔法なんてあるわけないじゃない！」

　お母さんは窓から、豆を捨ててしまいました。

　しかし、次の日の朝、なんと捨てた豆がとても大きな木になっていたのです。

「本当に魔法の豆なんだ。・・・よし、上へ登ってみよう」

　豆の木をどんどんと登り、雲を越えて、とうとう、一番上まで登りました。

　そこには、大きなお城がありました。

　そのお城からおかみさんが出て来て言いました。

「どうやってここまで来たの？　ここは人食い大男の家よ。早くお家に帰りなさい」

　そうしているうちに、大男が帰って来ました。

おかみさんはすぐにジャックをかまどに隠してくれました。

「人間の子どもの匂いがするぞ」

「そんな事はありませんよ。人間の子どもは、食べたばかりではありませんか」

おかみさんの言葉に納得した大男は、袋のなかのたくさんの金貨を数え始めましたが、そのうち眠ってしまいました。

「すごい金貨だ！」

　ジャックはかまどを出て、大男の金貨の袋を持って家に帰りました。

　それからまた、ジャックは大男の家にやって来ました。

　ジャックがかまどに隠れていると、大男がおかみさんに言いました。

「おい、金の卵を産むメンドリを連れて来い」

　おかみさんがメンドリを連れて来ると、大男はテーブルの上で金の卵を産ませました。

　そのうちまた、大男は眠ってしまいました。

ジャックはそのすきにメンドリも家に持ち帰りました。ジャックはお金持ちになりました。

それでもジャックはまた、大男の家にやって来ました。

　ジャックがかまどに隠れていると、大男は金の琴を持って来ました。

　大男が命令すると、琴はひとりでに音楽をかなでます。

　音楽を聴いた大男は、また眠ってしまいました。

ジャックはそのすきに琴をつかんで一目散に逃げました。

　その時です。

「ドロボウです！」

　驚いた事に、琴が大声でしゃべったのです。

「なに！いつも盗みを働いていたのはお前か！許さんぞ、食ってやる！」

大男は、ジャックを追いかけて来ました。

　ジャックは大急ぎで豆の木をおりて、そして豆の木にオノを振り下ろしました。

　すると豆の木の魔法がとけたのか、豆の木は元の豆粒に戻ってしまいました。

「あーーーーっ！」 

　まだ豆の木の途中にいた大男は高い空の上から落ちてしまい消えてしまいました。

　それからジャックは可愛いお嫁さんをもらい、お母さんと三人でいつまでも幸せに暮らしました。