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【差替待機】大切な人が亡くなったときに出会った絵、読んだ本

はなしいてみましょう。

【差替待機】大切な人が亡くなったときに出会った絵、読んだ本
  • 4分15秒

 私は中野春奈といいます。24歳です。東京に住んでいます。


 私の大切な宝物は家族です。


 ですが、2年前の2020年5月ころからコロナウイルスが始まったことにより、実家に2年帰ることができませんでした。


 


父、母に会えないのも寂しいですが、なにより祖母が心配でした。祖母は、5年前から病気を患っていました。いつまで生きられるか分かりません。だから、祖母に会いたいと思っていました。コロナウイルスは半年で無くなると思っていましたが、2年経っても終わりませんでした。


 


毎日、祖母のことを想いながら暮らしていました。


ある日、母から電話がかかってきました。


電話に出ると、


「おばあちゃん、亡くなった。」


と言われました。


信じられませんでした。


母は涙声でした。


 


 大切な人が亡くなってしまいました。


 コロナウイルスのパニックが終わったら祖母に会えると思っていたましたが、とうとう会えることはなくなりました。


 


私は、祖母が死んだ事実を受け入れられませんでした。その日は会社を休みました。


 


コロナウイルスの関係で、お葬式のために帰省することもできませんでした。祖母の顔を最後まで見ることができませんでした。


 


月日が過ぎても、祖母が亡くなった悲しみからなかなか抜け出せませんでした。


そんなある日、ある画家さんの絵を観ました。絵を観ていたら涙がポロポロ出てきました。絵を観ていたら気持ちが晴れていきました。その画家さんにお礼のメールをしました。すると、返信が返ってきました。返信には、「青い鳥」という本のことが書いてありました。私は、「青い鳥」という本が気になったので、読むことにしました。


 


「青い鳥」は、メーテルリンクというベルギーの作家が書いた名作です。チルチルとミチルという兄妹が「青い鳥」を探しに行くお話です。


お話の途中で「死者の国」が出てきます。兄妹は、死者の国で亡くなっているはずの祖父母に再会します。温かくて優しい祖父母との時間は幸せでした。もう兄妹が帰らなくていけないときに、祖父母はこんな話をしました。「わたしたちを思い出してくれた時に、あなたたちふたりはやってきて会える。」と。このあとも兄妹の「青い鳥」探しは続いていきます。


 


青い鳥を読み終えたときには、「もう二度と会えない」という悲しい気持ちは小さくなりました。私自身が生きている限り私の中に祖母がいるのだと思いました。