日本語を学ぶ
【差替待機】マインスイーパーおじさん
お話を聞いてみましょう。

- 4分10秒
外国人のみなさんは、日本人は「勤勉だ」と思っているでしょう。
しかし、日本人のなかには、勤勉な人もいれば、「勤勉なフリ」をする人もいます。
「日本人はちゃんと並んで順番を待つ」などとも言われますが、そのように良い子を演じるのには理由があるのです。
日本人は「出る杭は打たれる」という国民性があり、少しでもズルいことや目立ったことをすると周りに叩かれてしまうのです。
日本人は確かに他者のために気遣ったりマナーを重んじたりしますが、周りの目をよく気にするので目立った行動や批判されるようなことはしないようにしているのです。
さて、「マインスイーパーおじさん」のお話をしましょう。
日本のそれなりの会社に勤めていて、役職付きのとある中年男性が、出社してまずやることが「マインスイーパー」というゲームでした。
若手社員や中堅社員がせっせと働くなか、マインスイーパーおじさんは、たまに書類にハンコを押すくらいで、それ以外の時間はずっと「マインスイーパー」をやっていました。
そして、なんと「マインスイーパーおじさん」の年収は2000万円を超えるのでした。
必死にせこせこ働いている若手社員はせいぜい500~600万円といったところでしょうか?
1日中「マインスイーパー」で遊んで、たまにハンコを押すだけのおじさんは若手社員の4倍くらいの年収です。
このお話を聞いて、みなさんは驚きましたか?
実は、日本では珍しくもないことなんです。
中高年の役職付きの人でも、きちんと責任を果たすかっこいい人もいれば、偉くなればハンコを押すだけの人もいます。さらに、仕事の最中にジムやサウナなど本格的に遊びに行く人や、外回りだけはざぼってもバレないので積極的に外回りにだけは行く人もいます。
日本で働いていると「やっているフリ・考えているフリ・できそうな雰囲気を持つことが意外と大切だ」というアドバイスを受けることもよくあります。つまり、本当に頑張っていなくてもそう見せることが大切だということです。
よく、日本人は残業をします。なぜ残業をするかというといくつか理由があって、ひとつは、「残業すると頑張っているように見え、好かれるから」、もうひとつは「上司が帰らないと帰りにくいから」、そしてもうひとつは「仕事をこなすのが遅くて本当に残業している」などです。つまり、残業する日本人は勤勉なのではなく、体裁を気にしているか、本当に仕事が遅いのです。残業をする人の方が生産性は低く、実際に、他の国と比べると日本人の生産性は劣っています。
日本人が勤勉なのは、「周りの目」があるからという要素はかなりあります。