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【差替待機】なぜマウントするのか①

はなしいてみましょう。

【差替待機】なぜマウントするのか①
  • 4分45秒

 


「マウント」。この言葉を知っている外国人の方はどれぐらいいるでしょうか。


 


「マウント」という言葉はもちろん英語から来ているカタカナ言葉です。「mount」という英語本来の意味は「取りつける」「乗る」「上がる」「搭載する」という意味です。


 


 日本では、プロレスで相手の体に乗り上げている状態のことを、「マウント」と言っていました。相手の体に馬乗りになれば、相手が抵抗できない状態にあるので優位に攻撃することができるのです。


 


 しかし、プロレス界で使われていた「マウント」という言葉が、日常生活でも使われるようになってきました。


日常で使われる「マウント」は、「相手よりも自分が上」だということをその相手自身に示すことをいいます。つまり、「あなたより私の方が上!」と、ここまではっきりとは言いませんが、自慢や貶めるなどして、それとなく言葉で匂わせるのです。


 


マウントに使われる内容は、「学歴」「職業」「稼ぎ」「暮らし」「経験・体験」「交友関係」「既婚・未婚」「恋人の有無」「パートナーのスペック」「子どもの成績」「容姿」「恋愛」などです。


みなさんもお分かりのように、どれもこればかりじゃ人間の価値は測れないものです。どれだけ他人よりも優位な立ち位置にいても、「マウント」をするようじゃ人間としての豊かさが欠如していて魅力的ではありません。


しかし、人間性が未熟であればあるほど、目に見える分かり易いものに頼ろうとし、それで人を判断します。


 


マウントをされたほうは、びっくりします。


そして、案外マウントしてくる人間は大したことがないので、マウントされたほうはマウントされたことにびっくりするのではなく、「そのレベルで?」「あなたが言う?」というように驚くのです。


 


では、あなたが誰かにマウントをしたとして、「え?」「あなたが?」というような顔をされたら、どう思いますか?きっとつまらないと思います。そして、是が非でも「自分の方が上」だと認めさせようと、また余計なマウントをしてしまうでしょう。そうこうしているうちに、どんどん痛い人になっていくのです。


 


マウントには傾向があります。あきらかに尊敬している人や目上の人にはマウントを仕掛けません。しかし、同じくらいのレベルの人や、ちょっと上か下くらいの人にします。


 


これでは、傍から見ても「どんぐりの背比べ」。いや、勝手に比べているだけでしたね。マウントする人は尊敬されたいのです。「すごい」「優れている」などと思われたいのです。しかし、マウントする相手と同じくらいのレベルならば尊敬されるはずがありません。


 


マウントをとる人は、その相手となんら変わらない立場にあるのです。本心で「私の方が優れている」と思っていたとしても、周りには尊敬されていません。


 


周りに尊敬されていないという、悲しい現実をただただ突きつけられるのです。しかし、そこに気づいて成長すればいいのです。