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【差替待機】浦島太郎は何を伝えたいのか

はなしいてみましょう。

【差替待機】浦島太郎は何を伝えたいのか
  • 5分0秒

 


外国人のみなさんの中で、知っている人は少ないと思いますが、日本の昔話に「浦島太郎」というものがあります。


 


簡単に「浦島太郎」のお話を説明しますと、こうなります。


「浦島太郎という若者がいました。


漁に出られない両親の代わりに漁をして暮らしていました。


そんなあるとき、浜辺で少年たちが亀をいじめていました。


これを見た浦島太郎は、少年たちにお金を払って亀をもらいました。


そして、亀を海に帰しました。


すると、しばらく経ったある日、漁をしている浦島太郎のもとに、助けた亀が現れました。


なんと、助けてくれたお礼に海の中にある竜宮城という城に連れていくというのです。


亀に言われるがまま竜宮城に連れて行ってもらうことに。


竜宮城につくと、そこには美しいお姫様がいました。乙姫様です。


浦島太郎は竜宮城でたくさんの豪勢なもてなしを受けました。


毎晩のように宴が開かれ、浦島太郎も楽しかったのですが、地上に残した両親のことが心配になりました。


浦島太郎は地上に帰ることにしました。


地上に帰る日、乙姫様から「玉手箱」という箱をもらいました。


そして、その箱はおじいさんになるまで開けてはならないと言われました。


浦島太郎が地上に戻ると、そこはいつもの故郷ではなくなっていました。


なんと、700年も時間がたってしまっていたのです!


浦島太郎は、悲しみにくれ、玉手箱を開けてしまいました。


すると、玉手箱の中から煙が出てきて、浦島太郎はおじいさんの姿になってしまいました。」


 


というお話です。


 


昔話というのは大体が何かしらの教訓になっています。


「赤ずきん」なら、知らない人について行ってはいけない。


「うさぎとかめ」なら、早くても寄り道したりサボったりすると、ゆっくりでもコツコツやるよりずっと遅れてしまう。


などの教訓があります。


 


ですが、浦島太郎のお話だと、心優しい若者が亀を助けたのに、両親もどうなったか分からぬまま時間が進み、浦島太郎自身も老人になってしまう……という、良いことをしたのに悲しい結末になっています。


 


これだと、教訓が何なのか分かりません。


もしかしたら、「良いことをしたからといって良いことが返ってくるわけではない」、「良いことをしても不幸になる人はいる」、「良いことをしたお礼だとしても、遊び惚けてはいけない」「誘惑に弱いと足元をすくわれる」「両親を忘れて遊ぶなんて最低だ」「恩をあだで返されることもある」などが教訓や伝えたいことなのか?と思ってしまいます。


 


しかし、浦島太郎には続きがありました。


浦島太郎がつくられた時のお話と現代の浦島太郎は少し違っていて、元々のお話は、「おじいさんになってしまった浦島太郎がさらに鶴に変身して、亀になった乙姫と出会い結ばれる。」


というお話です。


 


日本で鶴と亀は、「鶴は千年、亀は万年」といって長寿を表す非常に縁起のいい動物なのです。


 


亀を助けた浦島太郎が鶴となり千年の命を授かり、亀の乙姫と結ばれるという、ハッピーエンドといえばそうなのかもしれません。


 


もともと、浦島太郎は教訓としてのお話ではなかったため、結末に意味を見出せないと思う人も多いそうです。