日本語を学ぶ

【差替待機】デザイナーとアーティストの違い

はなしいてみましょう。

【差替待機】デザイナーとアーティストの違い
  • 4分30秒

デザイナーの仕事をアーティストの仕事と混同してしまっている人は多い。


デザイナーといっても、いろんなデザイナーがいる。ファッションデザイナー、インテリアデザイナー、空間デザイナー、ジュエリーデザイナー、フラワーデザイナー、ウェブデザイナー、グラフィックデザイナーなど、他にもたくさんある。


これらの仕事は、みんな「センス」と「感性」の仕事だと思われている。しかし、思っているよりも「センス」「感性」の仕事ではない。正しく言うと「センス」と「感性」だけが素晴らしく揃っていても、それだけで「デザイン」にはならないのだ。


Googleで「デザイン 意味」と検索すると次のように出てくる。「設計。図案。意匠。また、製品の機能や美的造形を考慮した意匠計画。」そう、デザインは設計なのだ。ただ単にセンスや感性のみで作り上げるものではない。見た目が何となく美しくても、機能性がなく、なにを意味するものか、なにを説明するものなのかが分からなければ意味がない。


グラフィックデザイナーは、発注者の伝えたいことや目的を、広告やロゴで叶える。よく、「問題解決」をするのが仕事と言われる。なので、真新しく、ワクワクさせる広告やロゴ、パッケージの裏では、問題解決に向けて、ち密に考えて作りこんでいるデザイナーの姿がある。何を考えるのかというと、色や飾りフォントからどんな印象を与えるか?買いたいと思わせるには?続きを見たいと思わせるには?ロゴを見ただけでどんな企業か分かるように……などだ。そして、法則や知識をもとに構成していく。もし、デザインをせず「センス」や「感性」に任せて思うままに広告を作れば、本来伝えたいことが伝わらなくなり、それはただのお絵描きとなって終わる。


同ジャンルの職種だと思われがちな画家やアーティストはどうか?画家やアーティストは自らの種を育て大きく花を咲かせる。この花の足元・土の中には様々な根が生えている。画家やアーティストは誰かの問題解決をするのではなく、自分の中から作品を生み出す。作品に魅力を感じた人がお金を払い、価値をつける。画家やアーティストはいろいろなやり方で作品を生み出すが売れなかったら失敗だ。全国のデザイナーにはそれなりの需要があり需要は途切れない。画家やアーティストは需要が転がっているのではなく、自らが評価されるまで需要は生まれない。「画家やアーティストは自分の描きたいものを描いて、表現したいことを表現できて、いいなあ」と言われることがある。しかし、その分シビアだ。デザイナーは自分の描きたいものというより、他者の伝えたいことを形にするのだが、世の中に経済活動がある限り需要はある。


似ているように見える「デザイナー」と「アーティスト」。しかし、考えることもやっていることも違う。