日本語を学ぶ
【差替待機】シンデレラ①
お話を聞いてみましょう。
- 4分30秒
むかしむかし、とても美しくて、優しい娘がいました。
でも、お母さんが亡くなってしまい、お父さんが二度目の結婚をしたので、娘には新しいお母さんと二人のお姉さんができました。
ところがこの人たちは、揃いも揃って、大変いじわるだったのです。
新しいお母さんは、自分の二人の娘よりもきれいな娘が気に入りません。
三人は、辛い仕事をみんな、娘に押しつけました。
寝床は粗末(そまつ)な藁布団。
着る物は、つぎあてだらけ。
お風呂に入ることも許してもらえず、娘の頭に、いつも、かまどの灰がついていました。
そこで三人は、娘をシンデレラと呼んだのです。
かわいそうなシンデレラでしたが、それでも、お姉さんたちの何倍も何倍も美しいのでした。
ある日のこと、お城の王子さまが、お嫁さん選びの舞踏会(ぶとうかい)を開くことになり、シンデレラのお姉さんたちにも、招待状が届きました。
お姉さんたちは、大はしゃぎです。
シンデレラはお姉さんたちの支度を手伝い、ニッコリ笑って送り出しました。
それから悲しくなって、シクシクと泣きだしました。
「わたしも、舞踏会にいきたいわ」
「泣くのはおよし、シンデレラ」
「・・・? だれ?」
シンデレラの目の前に、妖精(ようせい)が現れました。
「シンデレラ、おまえはいつも、いい子ですね。ご褒美に、舞踏会へ行かせてあげましょう。まず、畑でカボチャを取っておいで」
妖精が大きなカボチャをくりぬき、杖で叩くと、なんと、金の馬車(ばしゃ)になったではありませんか。
「まだまだ、魔法はこれからよ。さてっと、馬車を引くには、馬が必要ね。その馬は、どこにいるのかしら・・・。ああ、ネズミとりには、ハツカネズミが六匹ね」
妖精は、杖でハツカネズミに触りました。
するとみるみるうちに、立派な白馬になりました。
別のネズミとりには、大きな灰色ネズミが一匹いました。
妖精が杖で触ると、今度は、立派な馬車の運転手さんに早変わり。
これで馬車に、白馬に、運転手さんが揃いました。
妖精が杖を一振りすると、みすぼらしい服は、たちまち輝くような美しいドレスに変わりました。
そして、小さくて素敵な、ガラスの靴もくれました。
「楽しんでおいで、シンデレラ。でも、わたしの魔法は十二時までしか続かないの。決してそれを忘れないでね」
「はい、行ってきます」