日本語を学ぶ
【差替待機】館長のことば
お話を聞いてみましょう。
- 4分0秒
とある、オルゴール館の館長のことがいまだに忘れられません。
記憶に強く残っています。
彼は、とても面白い人でした。
閉館の30分前に駆け込んだのですが、快く迎えてくれました。
オルゴール館には、世界中のたくさんのオルゴールが展示されていました。
館長は、歴史の流れに沿って、様々なオルゴールの説明をしてくれました。そして、たまにオルゴールのねじを巻いて聴かせてくれました。オルゴールは、音が鳴るだけでなく人形が踊ったり、鳥が鳴いたりするものなど、色々あり驚きました。とても大きなものもあれば、世界最小といったものまでありました。それらのオルゴールが作られた経緯や込められた気持ちも様々で感慨深いものです。
オルゴール時計は、ものすごく繊細なつくりなのですが、当時は機械がなかったため、すべて手作業で作られたそうです。
この時計の説明をするときに、館長はこんなことを言いました。
「今の時代、機械化やIT化が進んで便利になったけれど、このオルゴール時計が人の手によって作られたなんて信じられますか?こういうものが私は好きで大切だと思います。」
「人生で、ひとつでも好きなものがあれば幸せなんです。あなたが心から好きだと感じるものは何ですか?これを一晩かけて考えたことありますか?一回でいいので考えてみてください。一晩って思ったより本当に長い。好きなもの見つかるといいですね。」
この言葉がずっと心に残っています。
後日、また別の博物館に行きました。
ここには、陽気でワ
イルドな館長がいました。
博物館はある経営者によって設立されて、その経営者とつながりのある館長が博物館の管理を任されたそうです。
その館長がこんなことを言いました。
「ここの博物館の設立者のように、好きなものがあることは人生において重要だと思うんです。好きなものがあるということは、自分を助けてくれるし、思わぬ幸運を導いてくれることもある。人生で一つでも好きなものを見つけられた人は幸せだと思います。」
この言葉を聞いたときに、オルゴール館の館長も似たようなことを言っていた!とはっとさせられました。
さらに、館長ではありませんが、TOYOTAの3代目社長の豊田昭雄さんも「好きなことを見つけよう」と言っています。
人生で大事なのは「好きなものをみつけること」なのかもしれません。