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海の水はなぜしょっぱい?

はなしいてみましょう。

海の水はなぜしょっぱい?
  • 3分0秒
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むかしむかし、ある村に、貧乏な男がいました。


ある日の晩、その男のところへ、白いひげのおじいさんがやってきました。


おじいさんはその男に、一晩泊めてくれないかと頼みました。


男は親切に、おじいさんを泊めてやりました。


次の日、おじいさんは男に泊めてくれたお礼にと、小さな石臼をくれました。


「この石臼は、右に回せば欲しいものが出て、左へ回せば止まるものだ」と、


おじいさんはそう言って、出て行きました。


男は試しに、「米出ろ」と、石臼を回してみました。


すると石臼から、真っ白い米がザクザクと出てきました。


あわてて左へ回すと、米はピタリと止まります。


男は感動しました。


男は米や魚をたくさん出して、周りの家にも分けてあげました。


さて男の隣に、欲張りな兄さんが住んでいました。


兄さんは弟が急にお金持ちになったのを不思議に思い、こっそり覗きに来ました。


お兄さんはこの石臼の事を知り、夜になると弟の家に忍び込んで、石臼を盗みました。


そして舟に乗って、海へ逃げました。


「よしよし、ここまで来れば大丈夫だろう」


兄さんは一生懸命に舟を漕いだので、お腹がペコペコになりました。


そこで、持ってきたおにぎりを取り出すと、おにぎりに塩をつけたらおいしくなるだろうと思いつき、石臼を回すと、石臼からは塩がザラザラとあふれ出して、たちまち舟いっぱいになりました。


兄さんは、あわてて塩を出てくるのを止めようとしましたが、止め方がわかりません。


欲張り兄さんは、石臼から物を出す方法は見ていたのですが、止め方は見ていなかったのです。


ついに舟は塩の重さに耐えられなくなり、そのまま海に沈んでしまいました。


ところであの石臼は、今でもグルグルと回って、塩を出しています。


海の水がしょっぱいのは、こういうわけなのです。