日本語を学ぶ
わらしべ長者(ちょうじゃ)
お話を聞いてみましょう。
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むかしむかし、ある若者が、お寺で観音様(かんのんさま)に、「お金持ちになれますように」とお願いをしました。
すると、観音様が、
「ここを出て、はじめにつかんだものが、お前を金持ちにしてくれるだろう」と言いました。
喜んだ若者は、お寺を出たとたん、石につまずいて、スッテンと転びました。
そしてその拍子に、一本のわらしべ(イネの穂の芯)をつかみました。
若者は観音様がいっていたのはこのわらしべの事かと、信じられませんでした。
若者は首をひねりながら歩いていると、プーンと一匹のアブが飛んできました。
若者はそのアブをつかまえると、持っていたわらしべに結んで遊んでいました。
すると、向こうから立派な車がやってきて、中に乗っている子どもが「あのアブがほしい。」言いました。
若者が子どもにアブを結んだわらしべをあげると、家来のものが、お礼にミカンを三つくれました。
また歩いていると、道ばたで女の人が、喉が乾いたと言って、苦しんでいます。
若者は、水の代わりに女の人にミカンをあげました。
女の人は元気になり、そしてお礼にと、美しい布をくれました。
若者がその布を持って歩いていると、馬が倒れて困っている男の人がいました。
町にいって布と交換する予定だった馬が病気で倒れてしまったそうです。
男の人は今日中に布が手に入らないととても困る様でした。
若者がもっていた布と交換できることを言うと、男の人は大喜びで布を持って帰りました。
若者が馬に水をやったり体をさすったりすると、馬はたちまち元気になりました。
よく見ると、大変立派なウマです。
その馬をつれて、また若者が歩いていると、今度は引っ越しをしている家がありました。
そしてそこの主人が、若者の立派なウマを見て、急に旅に出ることになってしまい、ウマを家と畑と交換してほしい、と言いました。
若者は立派な家と広い畑をもらって、大金持ちになりました。
一本のわらしべから大金持ちになったので、みんなはこの若者を、わらしべ長者(ちょうじゃ)と呼びました。