日本語を学ぶ

カエルになったぼたもち

はなしいてみましょう。

カエルになったぼたもち
  • 5分0秒
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むかしむかし、お百姓(ひゃくしょう)さんたちの食べものは、とてもとても貧しく、いつも芋を食べていました。


白いごはんなどは、めったに食べられません。


ある村に、あまり仲の良くない、嫁さんとばあさんがいました。


二人は顔をあわせると、ケンカばかりしています。


ある日、忙しかった田植えがようやく終わりました。


ばあさんがたまには芋以外のものが食べたいというと、それには嫁さんも賛成しました。


いつもは悪口をいうばあさんも、今日は大喜びです。


ばあさんは、嫁さんにぼた餅に使う小豆があるのか聞きました。


嫁さんは、こんな時のためにとっておいたものがあると、胸をどんと叩いて言いました。餅を作り始めました。


まず、米を炊きます。次に、小豆をにます。そして、米をつきます。


最後に、餅を丸めて、あんこをつけて、完成です。


二人は、夢中でぼた餅を食べ始めました。


これでもか、というくらいのぼた餅を食べ終えて、


二人はお腹いっぱいになりました。


嫁さんは、隣の部屋にいってしまいました。


そこには、一つだけ、ぼた餅が残ってしまいました。


ばあさんは、そのぼた餅を鍋に隠しながら、ぼた餅に言いました。


「ええか、ぼた餅よ。嫁の顔を見たら、蛙になるんだぞ」


この様子を、嫁さんは障子の隙間から見ていたのです。


嫁さんは、次の朝早く起きると、鍋の中のぼた餅を食べて、代わりに鍋の中に蛙を入れて知らんぷり。


そうとは知らないばあさんは、嫁さんが田んぼに行った隙に、鍋の蓋を開けました。


すると、ビョーン。飛び出したのは蛙です。


ばあさんは、蛙がぼた餅だと思い込んで、逃げ出す蛙を慌てて追いかけましたが、蛙は田んぼに逃げ込んでしまいました。


おばあさんは嫁さんが入れた本物の蛙だとは知らず、泣き出してしまいした。