日本語を学ぶ
カエルになったぼたもち
お話を聞いてみましょう。
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むかしむかし、お百姓(ひゃくしょう)さんたちの食べものは、とてもとても貧しく、いつも芋を食べていました。
白いごはんなどは、めったに食べられません。
ある村に、あまり仲の良くない、嫁さんとばあさんがいました。
二人は顔をあわせると、ケンカばかりしています。
ある日、忙しかった田植えがようやく終わりました。
ばあさんがたまには芋以外のものが食べたいというと、それには嫁さんも賛成しました。
いつもは悪口をいうばあさんも、今日は大喜びです。
ばあさんは、嫁さんにぼた餅に使う小豆があるのか聞きました。
嫁さんは、こんな時のためにとっておいたものがあると、胸をどんと叩いて言いました。餅を作り始めました。
まず、米を炊きます。次に、小豆をにます。そして、米をつきます。
最後に、餅を丸めて、あんこをつけて、完成です。
二人は、夢中でぼた餅を食べ始めました。
これでもか、というくらいのぼた餅を食べ終えて、
二人はお腹いっぱいになりました。
嫁さんは、隣の部屋にいってしまいました。
そこには、一つだけ、ぼた餅が残ってしまいました。
ばあさんは、そのぼた餅を鍋に隠しながら、ぼた餅に言いました。
「ええか、ぼた餅よ。嫁の顔を見たら、蛙になるんだぞ」
この様子を、嫁さんは障子の隙間から見ていたのです。
嫁さんは、次の朝早く起きると、鍋の中のぼた餅を食べて、代わりに鍋の中に蛙を入れて知らんぷり。
そうとは知らないばあさんは、嫁さんが田んぼに行った隙に、鍋の蓋を開けました。
すると、ビョーン。飛び出したのは蛙です。
ばあさんは、蛙がぼた餅だと思い込んで、逃げ出す蛙を慌てて追いかけましたが、蛙は田んぼに逃げ込んでしまいました。
おばあさんは嫁さんが入れた本物の蛙だとは知らず、泣き出してしまいした。