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就職活動に大切なこと(第二回)

就職活動に大切なこと(第二回)
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「授業番号① 就職活動に大切なこと」今回は2回目です。2回目は4番目の話「態度」についてお話をしていきたいと思います。


 


 


就職活動に大切なことの一つに「態度」というものがあります。態度というのがどういったことかというとですね、相手の人に対してのリスペクトですね。相手の人をちゃんと「尊敬している」、「リスペクトしている」、これはとても大切なことです。


 


例えば会社の人が一生懸命、会社のことを話してくれているのに、話を聞いている方がしっかりした態度でないというのは、これはとてもいけないことです。


当然ですが、会社の人がいる目の前で、手をポケットに入れていたり、全然違う方向、会社の人の方向じゃなくて、全然違う方を向いて話を聞いていたり、こういったことはよくないですね。


また、日本語ではなく母国語、ネパール語だったりベトナム語だったり中国語だったり英語だったり、いろんな言葉あるんですが、日本語ではない言葉を使うというのも、これはいけません。母国語などは話さないでください。当然ですが、関係ないお喋りというのも、いけません。日本人っていうのは、ほとんど日本語しか分からない人たちです。英語を話せる人もとても少ないんですね。その中で、他の国の言葉を使ってお話をしていると、「あっ…、この人たち私に聞かれたくないことを話しているんだ…」「良くないことを話してるんじゃないか…?」「なにか悪口を言っているんじゃないか…?」、そういう風に人間だったら思ってしまいます。もちろん会社の人もそう思ってしまいます。なので、日本語しか話さないようにしてください。


そして、もうひとつ、「他の会社の話」っていうのは、できるだけやめてください。もちろんアルバイトをしてきたことについて、「こういう会社でアルバイトしてきました」ということは話すのは大丈夫なんですが、例えばですけども、今受けている面接の前に行った会社、その前の面接のお話っていうのを、今受けている面接の会社に話してしまう、「前の会社では こういうこと こういこと を言われました、聞かれました」、「こういうことを欲しがられました」とか、こういう話はですね、できるだけしないようにしてください。もちろん、今面接を受けている会社の人に聞かれてしまったら、それは答えるしかないんですが、自分からそういう話をするというのは良くないですね。せっかくちゃんと今面接をしてくれている会社があるので、その会社にちゃんと集中してあげてください。


 


もうひとつはですね、例えば会社の人の話を聞いてて「嫌だなー」とか「やりたくないなー」「えー、これだとお給料少ないなー」とかそういうことを思ってしまっても、それをそのまま会社の人に話すというのはこれすごくいけないことです。「やりたくない」とか「嫌だ」とか「お給料少ない」とか、そういうこと思ってもそれを会社の人には言わないでください。これ悪口になってしまいます。もちろん、皆さんがそういう風に思うのは、これは自由です。いろんなことを考えるのはとても大切なことです。ですがそれを会社の人にストレートに言ってしまうっていうのは、やはり態度が悪いという風に思われてしまいますし、会社の人に対してリスペクトがないですよね。こういうことはいけません。


 


今まで話してきたこと、「手をポケットに入れない」「母国語を話さない、お喋りをしない」「ほかの会社の話をしない」「悪口を言わない」、こういったこと普段みなさん「やるわけないじゃない!」とか思っているかもしれませんが、面接や説明会など会社の人に会うときっていうのは、皆さん必ず緊張します。胸がドキドキしたり、変に汗をかいてしまったり、ナーバスになりますよね。そういうときにはですね、つい、いつもやらないことをやってしまうというのが一番怖いことです。一番最初に話した「手をポケットに入れない」というのも、皆さん普通はやらないと思いますが、緊張してしまうとやってしまうという人もなかにはいます。なので、今まで以上に、「もしかしたらそういうことをしてしまうんじゃないか」とそれくらいの気持ちを持って気を付けて行ってください。


 


そして今度は、「やったほうがいい態度」についてのお話です。例えば、会社の人が話しているとき、何か大切なことを聞いたら、しっかりメモをしてください。大切な話はしっかりメモをする。「自分が覚えておくためにメモを取る」という意味でもとてもいいことですし、それだけじゃなくってそのメモを取ってるところを会社の人が見たとき、「あ、この人すごくちゃんと勉強する人だな」「あ、この人ちゃんと話を聞いてくれるんだな」、そういう風に会社の人見てくれます。すごくいいアピールにもなるんですね。そして自分があとからどういう話をされたかのかって思い出すためにとてもいいことなので、是非「メモをする」というのを癖にしてほしいですね。


あとはですね、話を聞いているときに頷いてください。「頷く」っていうのがとても大切です。この「頷く」というのがどういうことかと言うとですね、首を縦に振ることです。「うんうん」と。頭を縦に振ることですね。これを、日本では「頷く」といいます。これどういう意味があるかというとですね、「なるほど、なるほど」と「話が分かっていますよ」というアピールになります。頷くことをしないで、ちゃんと話は聞いているけど何もリアクションのない人は、会社の人は「あ、この人私の話、聞いているのかな?」「ちょっと難しかったのかな?」「分かっているのかな?」、会社の人結構心配になってしまいます、こういう風に。なので、話を聞いているときは、ちゃんとなるほどなるほどという感じで頭を縦に振って。もちろん「なるほど」と言わなくてもいいんですけれども、頭を縦に振ることで、「ちゃんと自分は話を分かってますよ」というアピールをしてあげてください。リアクションはやはり大切ですね。


 


 


はい、では、「態度」の話はここまでにして、今度はですね5番目「ほうれんそう」についてお話をしたいと思います。


皆さん、「ほうれんそう」と聞いたとき、パッと頭に浮かぶのは野菜の名前じゃないですかね。バターとかコショウで炒めて食べるあの野菜の名前…ではないんですよ!もちろんそうです。


「ほうれんそう」というのはですね、その野菜の名前に似せることで少しでも皆さんに覚えてもらおうと昔の人が考えた言葉ですね。


ほうれんそうの「ほう」というのはこれは「報告」からきています。「報告」。「報告」というのはですね、もっと簡単に言うと「レポート」です。レポートと聞けば皆さん分かるんじゃないでしょうか?「仕事がどれだけ進みました」「これだけ終わりました」っていうのを、ボスやリーダーにレポートしますよね。これを、「報告」といいます。


そして、ほうれんそうの「れん」。これは、「連絡」です。「連絡」と聞けば、みなさんは、日本語学校や専門学校で、したことあると思います。連絡というのは、何かあったときに、「どんなことがあったか」っていうのを、相手の人に、学校の人や会社の人にですね、知らせてあげること。これを「連絡」といいます。「今日熱が出て学校に行けません。」とか、連絡したことある人もいるんじゃないでしょうか?「電車が遅れて学校に遅刻してしまいます。」こんな連絡した人いるんじゃないですかね。会社でも同じです。いきなり休まれたりいきなり遅れてきたり…こういうことは非常に困ります。ちゃんと何かあったときはそれを知らせてあげる、何も連絡しないで会社に来ないというのは、もうこれ会社の人すごい困ってしまいます。もうそういうことを続けられたら会社の人はその人をずっと会社で働かせるわけにはいかなくなります。「連絡」というのもこれもとても大切なことなので、忘れないようにしてください。もちろん「報告」もそうですよ。仕事終わったのに、それ教えてもらえなかったら、次の仕事お願いできないですからね。


はい、そして、「ほうれんそう」の「そう」が最後なんですが、「相談」。「相談」です。「相談」と聞けば、皆さん知っている言葉じゃないでしょうか?「相談」というのは、いっぱい考えて悩んでしまったり、「どうしたらいいのかなー?」と困ってしまったり、そんなときに「どうすればそれをクリアできるのか?」というのを、他の人と話し合うことをいいます。皆さんもこれはしたことあるんじゃないかなと思います。


「報告」「連絡」「相談」この3つは、どれも「コミュニケーション」に関係する言葉ですよね。会社というのは決して一人で仕事をする場所ではありません。自分だけではなく他の人たちと協力しながらチームワークで働く場所です。この「報告」「連絡」「相談」、どれもコミュニケーションに関係する言葉ですが、このどれ一つなくなってしまっても、会社はまともに動くことができません。なのでしっかりこの「ほうれんそう」守って働けるようにして欲しいですね。


そしてもうひとつ、覚えておいて欲しいのは、例えばですけど「私はちゃんと報告しました。だけど、相手の人が分かって貰えなかったんです。」、これではダメですよ。相手の人に分かって貰えて、そして相手の人にちゃんとお返事貰えてはじめてコミュニケーションというのはコンプリートします。「報告」もそうです。「連絡」もそうです。「相談」もそうです。自分一人で話せばそれでOKというものは無いですよね、コミュニケーションというのは。「報告」もそうですが、ちゃんと相手の人が「はい!分かりました。」とお返事をして、これで「報告」が終わります。「連絡」もそうです。「私はこういうことを言いました!」だけではダメです。ちゃんと相手の人が聞いてくれてはじめて「連絡」としてコンプリートします。「相談」、「相談」もそうです。「私はこういうこと言ったのに、何もいいことを教えてくれなかった」「どうすればいいか教えてくれなかった」、これ相談じゃないです。ただ言っただけです。「ちゃんと相手の人がいるんだ」、「相手の人も考えているんだ」っていうのを分かって、お話をしてください。


この実は「ほうれんそう」という言葉はですね、日本人、誰もが知っている言葉なんですね。もう、本当に。「「報告、連絡、相談」これなんて言うか知ってる?」「ほうれんそうだよ。何言ってるの。」こんな感じに言われると思います。「ほうれんそうって知ってる?」って聞かれても「報告、連絡、相談でしょ?」ってすぐに答えが返ってくると思います。それくらいとても大切な言葉なので是非この「ほうれんそう」しっかり覚えてください。「ほうれんそう」ナシでは、会社で働くことはできません。本当です。


 


それでは、最後に、6番目の「責任感を持ち、自分で考えて行動する」というお話をしていきたいと思います。


6番目の「責任感を持つ」という言葉にはですね、「責任感」ちょっと難しい言葉が入っていますよね。


「責任感」といのは、例えば何か仕事をお願いされたときに、「これは私の仕事だから私が何とかしなきゃいけないな」「私がちゃんとしなきゃいけない」こういう気持ちのことを「責任感がある」ていう風な言い方をします。逆に「責任感がない」というのはですね、「これは私がやらなくてもきっと誰かやってくれる」「誰かやってくれるとか決まっていないけど、たぶん大丈夫だろう…。」こういう考え方を「責任感がない」といいます。


もちろん会社の人は責任感がある人を欲しがっています。


まず、しっかり責任感、自分で何とかしようというその気持ちを持ってください。そして続きで、「自分で考えて行動する」とお話しましたが、これはどういうことかというとですね、皆さんは例えば会社の中に入って仕事するようになったとき、最初のうちは先輩やトレーナーといわれる人から、お仕事を色々教えてもらいます。そりゃそうですよね。いきなり会社に行って、「じゃぁ、やってください。」って言われてできる人なんて誰もいないですよね。ですが、先輩やトレーナー、もちろん仕事は教えてくれるんですが、いつまでもずっとずっと仕事を教えるわけにはいきません。いつかは、仕事をひとりで全部できるようになって、何も言わなくても全部ちゃんとやることはやってくれる、それくらいになれるようにしないといけません。


そのためにはですね、いつまでも、「あの人に聞けばいいや」「あぁ、これは知っている人がいるからこの人に聞けばいい」という考え方ではいけないんですね。じゃぁ、どうすればいいか。どうすれば、そういう聞かずに済むようになるかというとですね、分からないことがあったとき、誰かにすぐ聞く前にまずは自分で考える。考えて分からないときは今度は調べる。これを癖にして欲しいんですね。これはとても大切です。誰かに聞いてばっかりでは自分で覚えていきません。「覚えなくてもあの人知っているから聞けばいいや」「あの人全部知っているからあの人に任せちゃえばいいや」ってなっちゃうんです。なので、それでは、いつまでたっても自分の仕事を覚えられません。


まず、誰かにお願いされた仕事があるのであれば、ちゃんと「あ、これは私がやらなきゃいけない」「あの人知っているけれども、私にお願いされたんだから私がやらないと意味ないよ」っていう風に考えて欲しいですね。まずは、教えて貰ってたことだったら、一回ちょっと思い出そうと考えてみる。で、どんなに考えてもやっぱり思い出せないことあると思います。そのときは、マニュアルなどを見たりして調べてください。最近では、携帯電話で簡単にインターネット使えますから、それで調べることもできますよね。大切なのは、自分で何とかしようとするその気持ちとその行動です。行動っていうのは何かするっていうことですね。


はい、6番目は「責任感を持ち、自分で考えて行動する」というお話でした。


では、2回目はこれでおしまいです。


ありがとうございました。