日本語を学ぶ
【差替待機】ご縁
音声を聞いて、問題に答えてみましょう。
- 4分50秒
日本には「ご縁」という言葉があります。
ご縁というのは、「運命」や「めぐり合わせ」という言葉とも近しい意味を持っています。
たまたまの出会いがきっかけで夫婦になったり、友人になったり、その土地に住むことになったり、働くことになったりしたことに対して、「ご縁があって夫婦になった」「ご縁でこの仕事をしている」などと言います。
たとえ別々になっても、縁があれば、また再会します。
別々になって、それっきりであれば、縁がなかったということでしょう。
夫婦になって40年の里美さんと雅人さんの出会いは、お互い一人旅をしていたときでした。
山の山頂へ行くために、ケーブルカーに乗ろうと順番待ちをしていました。たまたま里美さんと雅人さんは前後で並んでいました。
すると、係員の人に「今日は、お客さんが多くてですね、もしよろしければお二方は相席でもよろしいですかね?」と言われました。
これに、里美さんと雅人さんは承諾し、相席でケーブルカーに乗ることになりました。
ケーブルカーにふたりきりで乗ったとき、会話に困りませんでした。
大阪大学の大学生で夏休みを利用して旅行に来ていた雅人さんの話は面白く、時間はあっという間に過ぎてしまいました。
ケーブルカーはいよいよ山頂に着いてしまいました。
里美さんは、「もっと話していたかったけど、ここでお別れね、楽しかったなぁ。」と名残惜しい気持ちで雅人さんに手を振って歩きだしました。しばらく歩いていると、「すいません!ちょっと待って!」と呼び止められました。振り返ると、雅人さんがいました。雅人さんから、「初めて出会ったのに、あんなに楽しい時間を過ごせた。もっとお話をしたいので、一緒にどうですか?」と言われました。里美さんは嬉しくて「もちろん!お願いします。」と言いました。
これがきっかけで、交際に至り結婚までしました。
もうかれこれ、結婚して40年になりますが、大切な思い出なのだそうです。
Q.1
お話の内容として正しいものはどれですか。次のa.b.c.dのうち、1つ選んでください。
a. 里美さんと雅人さんはケーブルカーで相席になったことが出会い
b. 里美さんと雅人さんは、山登りをしている途中で出会った
c. 「ご縁」は、結婚のことを言う
d. 「ご縁」は、別れてそれっきりのことを言う
正解は、『a. 里美さんと雅人さんはケーブルカーで相席になったことが出会い』でした。